
釜山に行ったらオチョリャン!
草梁ミルミョン(麺料理)と近代家屋の面影を残す場所として有名な韓国南部・釜山の草梁に今春、複合文化空間がオープンした。登録文化財に指定された古い木造住宅の見事な変身だ。
数百もの展示が一斉に開かれるミラノデザインウイークのような大規模な国際的イベントで、観覧客の記憶に残る展示を行うのは容易ではない。観客の脳裏に刻まれる最も重要な要素は、何よりも場所だといえる。古い邸宅や食肉処理場として使用されていた荒地、展示のテーマと関連のある空間は、それ自体がストーリーを持つからだ。場所が持つ特殊性は、そうやって観客に対する説得力を持つ。
1925年、釜山市東区草梁洞に建てられた個人の住宅も、このような特殊性を帯びた空間に変貌した。2007年9月に韓国の近代文化遺産登録文化財第349号に指定された近代建築の貴重な資料が、建設されてから98年になる今年、一麦文化財団が運営する複合文化空間としてオープンした。時間と共に生きてきて、これからも生きていく場所、それがオチョリャンだ。
1925年、釜山市東区草梁洞に建てられた個人の住宅も、このような特殊性を帯びた空間に変貌した。2007年9月に韓国の近代文化遺産登録文化財第349号に指定された近代建築の貴重な資料が、建設されてから98年になる今年、一麦文化財団が運営する複合文化空間としてオープンした。時間と共に生きてきて、これからも生きていく場所、それがオチョリャンだ。

端正で落ち着いた印象を与えるオチョリャンの全景
釜山旧都心の主、オチョリャン
1925年、日本による植民地時代に建てられたこの木造家屋は今年5月、「オチョリャン」という名前で再び公開された。展示や文化、教育などさまざまなコンテンツが展開されるオチョリャンは、建物やその内部、庭園などそれ自体が100年近い時間を体現している。ここが近代文化遺産に指定されたのは、それだけの研究・保存価値があるという意味でもある。

さまざまなオブジェが日本式家屋に馴染み、空間をモダンにする。

本が置かれているオチョリャンの応接室

オチョリャンの小さな看板
興味深いのは、この家を日本の実業家が建て、植民地支配からの解放後は韓国人が住み、手入れしてきたという点だ。そのためだろうか、敵産家屋(日本式家屋)の特徴を持ちながらも韓国人の生活様式に合わせて改装され、周辺地域の再開発が進む中でもひたすらに踏みとどまって空間を守り抜いたというエピソードもさらにドラマチックに感じられる。再開発により地盤に問題が生じ、1階は韓屋(韓国伝統家屋)に改装されたため、2階は日本式家屋、1階は韓屋となった点も独特だ。これもまたオチョリャンのアイデンティティーといえるだろう。空間や建物だけでなく、オチョリャンのある場所にも意味がある。釜山の歴史を物語るテキサス通り、チャイナタウン、百済病院、草梁市場、貞蘭閣、山腹道路へと至るルートの中間地点にあるからだ。

緑豊かな庭園の向こうに見える住宅
多様な文化と時の流れが出会う空間
オチョリャンでは日本の住宅の障子や座敷に使われる細い柱、格子柄の窓、ガラスに刻まれた繊細な文様も見ることができる。日本の植民地時代から近代に至るまでに刻まれた多様な建築様式の痕跡がそのまま残っているだけに、近代住宅史の研究資料として活用され、保存されたのは実に幸いなことだ。文化が新たに何かを生み出すのも意味があるが、多少不釣り合いで忘れたい時代の記憶であろうと古いものをそのまま維持し、守り抜くのもまた価値のあることではないだろうか。



庭園にはあちこちに鑑賞し、休憩できる空間がある
オチョリャンとしてオープンしたことで注目されるのは、建築でも空間でもなく季節だ。建物の中から眺める庭園の季節感や木々の変化を体感してほしいからだ。言い換えれば時間ともいえる。季節ごとに展示を入れ替える計画は、このような文脈ともつながっている。

大型オーディオが似合うオチョリャンの店内


お茶を楽しめる空間が設けられている。
オチョリャンの時間と共に
5月10日から7月9日まで行われたオープニング展のタイトルは「オ!ブンダーカマー」。20世紀欧州のアートファニチャーや現代工芸作家、伝統を継承する作家たちの作品が一堂に会した。多様な時代と文化が織りなす風景は違和感なく新鮮で、その融合のストーリーだけでも見応え十分だと評価された。今後の展示は未定だが、複合文化教育空間として展示と教育プログラムを交互に行う計画だ。夏休み期間には4週間にわたり「オ!草梁夏学校」を実施した。


モダンな家具と古白磁が映える室内
これまでと同じように、ここにしっかり静かに根を下ろすという意気込みはその名前からも感じられる。街道と渡し場の性格を持つ交通の要衝である草梁は「草原の街道」という意味を持つ地名で、ここに感嘆詞の「オ!」を付けた。無駄がなく最もシンプルでストレートな表現は、この空間でどんな経験ができるかを直観的に表わしている。100年近い時間は大層なものではなく、ただ忠実に生きてきた人生の年輪であると伝えるメッセージのようでもある。
近代文化遺産に指定された登録文化財の古い木造住宅、オチョリャンに刻まれた文化の年輪を確認するには予約が必須。毎月最終火曜日に予約申し込みを受け付けている。インスタグラムで案内されたリンクから予約可能だ。
住所 釜山市東区古館路13番ナギル22
インスタグラム @ochoryang
近代文化遺産に指定された登録文化財の古い木造住宅、オチョリャンに刻まれた文化の年輪を確認するには予約が必須。毎月最終火曜日に予約申し込みを受け付けている。インスタグラムで案内されたリンクから予約可能だ。
住所 釜山市東区古館路13番ナギル22
インスタグラム @ochoryang

釜山での滞在: ロッテホテル釜山と シグニエル釜山
釜山・西面近くに位置するロッテホテル釜山では華やかなシティービューを楽しめる。モダンな感覚とデザインが生かされており、プライベートな休息とゆとりのひと時を過ごせる。旅行の目的に応じた部屋選びができる約650室の客室とさまざまなジャンルのレストランは、釜山旅行の特別な思い出作りに一役買うことだろう。
シグニエル釜山はシグニエルソウルに続く、ロッテのプレミアムブランド「シグニエル」の2号店。海雲台のランドマークであるエルシティ(LCT)タワーにあり、260室の客室を有する。広安大橋を望む海雲台の幻想的なオーシャンビューが自慢。ミシュラン3つ星シェフのブルーノ・メナール(Bruno Menard)が監修したメニューなど、世界トップレベルのグルメを味わえる。
ホームページ ロッテホテル釜山, シグニエル釜山
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