
収蔵庫が展示室に、国立現代美術館清州
韓国・国立現代美術館の作品を保管する収蔵庫が美術館を兼ねている。国立現代美術館清州に行けば、ここで保管、管理するさまざまな美術品を鑑賞することができる。
韓国中部の忠清北道清州市に国立現代美術館の清州館がある。地方に開館した初の国立現代美術館で、正式名称は「国立現代美術館清州」。美術展は主にソウルなど首都圏で開催され、地方で質の高い美術展に接するのは容易でない。だがここは、地方都市にも美術との素晴らしい出会いの場があることを示してみせた。

彫刻をはじめとする立体作品を主に保管している1階の開放型収蔵庫

美術館の外壁を活用したメディアアート展

1階の開放型収蔵庫で展示された作品
収蔵庫と美術館の間
国立現代美術館清州はかつてのたばこ工場、清州煙草製造廠の建物を増改築して文化展示空間に生まれ変わった。国立現代美術館ソウル(ソウル市)と果川(京畿道)、徳寿宮(ソウル市)の3館が展示機能に重点を置いているとすれば、国立現代美術館清州は作品を収蔵する役割と管理・復元機能を優先としている。
そのためここでの美術作品との出会いは、一般的な展示とは別の種類の特別感と親密感を抱かせる。展示室は本来、選別された作品だけを鑑賞できる空間だ。それ以外の作品は収蔵庫に保管され、何かの折に呼び出されるまでは人目に触れることがない。だが、国立現代美術館清州は私たちが認識する美術館とは少し違う役割を持つ。作品を保存する収蔵庫がそれだ。ゆえに国立現代美術館清州を指して「作品の収蔵と保存に特化した収蔵型美術館」と呼ぶ。
ここが特別なのは、展示室に掛かっている作品ではない、収蔵中の作品を見られるということ。それら美術品がどのように保存、管理されているか、自分の目で確かめることができる。所蔵作品の保管環境や施設などを美術館と鑑賞者が共有するといえる。
そのためここでの美術作品との出会いは、一般的な展示とは別の種類の特別感と親密感を抱かせる。展示室は本来、選別された作品だけを鑑賞できる空間だ。それ以外の作品は収蔵庫に保管され、何かの折に呼び出されるまでは人目に触れることがない。だが、国立現代美術館清州は私たちが認識する美術館とは少し違う役割を持つ。作品を保存する収蔵庫がそれだ。ゆえに国立現代美術館清州を指して「作品の収蔵と保存に特化した収蔵型美術館」と呼ぶ。
ここが特別なのは、展示室に掛かっている作品ではない、収蔵中の作品を見られるということ。それら美術品がどのように保存、管理されているか、自分の目で確かめることができる。所蔵作品の保管環境や施設などを美術館と鑑賞者が共有するといえる。


1階の開放型収蔵庫で展示されたさまざまな作品
国立現代美術館清州を巡る
国立現代美術館清州は開放型収蔵庫、見える収蔵庫、見える保存科学室、ラキビウム、特別収蔵庫、企画展示室の大きく六つの施設からなる。1階と3階に位置する開放型収蔵庫は美術館と政府の美術銀行所蔵品を保管すると同時に、それらを収蔵した状態で来館者に公開する。来館者は特定のテーマや意図にとらわれることなく作品を鑑賞できる。1階の開放型収蔵庫では主に彫刻のような立体作品を保管・展示し、3階の開放型収蔵庫は国立現代美術館美術銀行の所蔵品を中心に紹介する。現在は写真と映像、インスタレーション分野の展示「デジタルストーリー:話が必要」を開催している。

7月30日まで開催された「見える収蔵庫:MMCA李健熙コレクション2」では韓国人画家の朴生光(パク・セングァン)の作品が展示された。


3階の開放型収蔵庫
2階と3階の見える収蔵庫は、主な所蔵品の収蔵状態を窓ガラス越しに見せる。国内外の美術家の作品を保管しており、定期的に作品を入れ替えて展示する。
国立現代美術館清州は東アジアで初めて、美術品の分野別に専門の保存施設を構築した。来館者は3階にある油絵保存処理室と有機分析室、無機分析室を通し、美術作品がどのように保管、管理されているかを知ることができる。
国立現代美術館清州は東アジアで初めて、美術品の分野別に専門の保存施設を構築した。来館者は3階にある油絵保存処理室と有機分析室、無機分析室を通し、美術作品がどのように保管、管理されているかを知ることができる。

3階の開放型収蔵庫、キム・ギラ「世界の向こう(原題)」(2018年)

3階の開放型収蔵庫、リュ・ホヨル「Baum」(2011年)

VRを通して見る展示
5階の企画展示室は、国立現代美術館の所蔵品展や、近現代美術品を多様な形式とテーマで展示する企画展を催している。9月からは「国立現代美術館所蔵品展 ピカソ陶芸」展を開催予定。2021年に寄贈された故李健熙(イ・ゴニ)サムスン電子前会長のコレクションの中から、ピカソの陶芸作品108点を紹介する。ピカソが1946年にフランス南部ヴァロリスで制作を始めた陶芸の世界に触れることができる。画家でなく陶芸家としてのピカソに出会う機会となる。
単に有名美術家の作品を鑑賞するにとどまらず、国立現代美術館が所蔵作品を保管・管理する様子を観察できるということ、その機会をソウルでなく地方都市で提供するという点で、なおさら国立現代美術館清州は特別な存在だ。
単に有名美術家の作品を鑑賞するにとどまらず、国立現代美術館が所蔵作品を保管・管理する様子を観察できるということ、その機会をソウルでなく地方都市で提供するという点で、なおさら国立現代美術館清州は特別な存在だ。

国立現代美術館清州の全景
VIDEO BY MMCA / ©NATIONAL MUSEUM OF MODERN AND CONTEMPORARY ART


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住所 大田市儒城区エキスポ路123番キル33
電話 +82-42-333-1000
ホームページ www.lottehotel.com/daejeon-city
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