
パンマニア5人が選ぶ最高のあんパン
あんパンは、ただのパンではない。少なくとも韓国では、あんパンでパン屋のクオリティーが測れると言われるほどだ。そこで、パンをこよなく愛する5人が最高のあんパンを選んだ。思い出の味ではなく、現在進行形のあんパンベスト5を紹介する
1ロッテホテルソウル Delica Hansのあんパン
「好きにならずにいられない、そんなあんパンです」


ロッテホテルソウルのベーカリーDelica Hansは、ブレッド&ペストリーブティックと名乗るだけあって、ペストリーやケーキ、タルトの種類が豊富だ。しかし、意外にも現在の人気メニューはあんパンだ。自他ともに認めるあんパンマニアのノ・サヨンが、JTBC「私に会いにきて」(原題)でこの店のあんパンを紹介したからだ。韓国でもなじみのあるあんパンと欧米風の雰囲気漂うベーカリーの組み合わせに一瞬違和感を抱くかもしれないが、200グラムを超えるあんパンを口に入れた瞬間、その戸惑いはすぐに消えるだろう。ここのあんパンは、きめ細やかなこしあんに炒ったクルミを入れ、香ばしさと口当たりのよさを強調している。また、生地には1次発酵の際にマッコリを加え、1日かけて低温熟成させているので、しっかりした食感がありながらもふんわりとした柔らかさを楽しめるのが特徴だ。あんパンは明洞のほか、蚕室のロッテホテルワールド、釜山、済州、蔚山のロッテホテルでも販売している。

© Delica Hans
住所 ソウル市中区乙支路30 ロッテホテルソウルメインタワー1階
電話 02-317-7148
価格 あんパン 3,500ウォン(約340円)
ホームページ www.lottehotel.com/seoul-hotel/ko/dining/bakery-delica-hans
電話 02-317-7148
価格 あんパン 3,500ウォン(約340円)
ホームページ www.lottehotel.com/seoul-hotel/ko/dining/bakery-delica-hans
2Le Painの梨花酒種あんパン
「高麗時代から伝わるという伝統酒“梨花酒”で発酵種を作った梨花酒種あんパンをおすすめします。パン生地が脇役になるほどあんがぎっしり詰まっていることで有名なのですが、牛乳と一緒に食べると午後の疲れが一瞬で飛んでいくような気がします」


2010年に小さなベーカリーとしてスタートしたLe Painは、現在韓国内に4店舗を構える人気店である。オーナーシェフであるイム・テオンの研究と開発を怠らない情熱が、店をここまで育てあげた。ほかにもパンと食事、スイーツを提供するレストラン「LE PAIN THE TABLE」も運営している。梨花酒がほのかに香る梨花酒種あんパンは、プレーンだけでなく生地が硬めの「マンジュー」や、練乳の入ったものもある。店舗で直接戻す選りすぐりの小豆と公州でとれた栗とクルミが入った適度な甘さのあんが特徴だ。このほか、シェフが公州まで行って仕入れた良質の栗が丸ごと入った栗食パンや、ナッツ類が詰まったマンモスパンも人気メニューだ。

© Le Pain
住所 ソウル市中区明洞ギル74 B103号(明洞聖堂店)
電話 02-3789-7545
価格 梨花酒種あんパン 2,500ウォン(約240円)
ホームページ www.instagram.com/lepain_seoul
電話 02-3789-7545
価格 梨花酒種あんパン 2,500ウォン(約240円)
ホームページ www.instagram.com/lepain_seoul
3FRITZ COFFEE COMPANYのあんパン
「あんパンは名前からして甘そうな印象を与えますが、個人的にはさほど甘くないタイプのものが好きです。その点、FRITZ COFFEE COMPANYのあんパンは、適度に柔らかい生地と甘さ控えめの粒あんが最高ですね。上にのっている香ばしいクルミも決め手です」


バリスタとパン職人が手を組んでオープンしたFRITZ COFFEE COMPANY(以下、FRITZ)は、パンとコーヒーを同時に楽しむには最高の場所である。コーヒーチームとベーカリーチームの息がばっちり合っているからだ。コーヒーチームは、直接貿易(Direct Trade)で生豆を仕入れて焙煎から抽出までを担う一方、ベーカリーチームは、パンの名店「オーブンとやかん」のオーナーシェフだったっ許旻琇[y1] シェフが腕を振るう。また、原型を生かして照明やインテリアでビンテージムードをプラスした魅力的な空間も、FRITZが客を引き寄せる要素の1つである。現在ソウル市内に3店舗あるが、あんパンは桃花店と良才店だけで販売している。

© FRITZ COFFEE COMPANY
4ジャンブランジェリーのあんパン
「しっとりと柔らかい生地に、適度な甘さのあんと香ばしいクルミがいっぱい詰まっています。お好みでホイップクリームを加えた生クリームあんパンもどうぞ」


落星垈駅にほど近い、いわゆる「地元の人々のためのパン屋」。それにも関わらず、並んで買わなければならないほどの名店となっている。満月のような大きなあんパンが代表メニューで、通常、1日に1000個が売れるという。あんパンを買い求める人があまりに多いため、専用のレジをつくり、そこでだけ販売している。直接買いに行くのが難しい場合は、電話注文で取り寄せることもできる。そのほか、数量限定で販売されるマンモスパンやクリームチーズバン、チョコパンなども人気だ。

© ジャンブランジェリー
住所 ソウル市冠岳区落星垈駅ギル8
電話 02-889-5170
価格 あんパン 1,800ウォン(約170円)
電話 02-889-5170
価格 あんパン 1,800ウォン(約170円)
5李盛堂のあんパン
「薄皮にたっぷりあんが入っていて、生地とあんの比率が最高です。甘すぎず、やわらかいあんパンです」


李盛堂を抜きにしてあんパンを語ることはできない。パンマニアの聖地であり、群山の名所にもなっている李盛堂は、1945年にオープンした韓国で一番の老舗パン屋だ。長年変わらない代表メニューはあんパン。全国各地から訪れる観光客が名物のあんパンを味わうために、毎日長蛇の列をつくっている。米粉でつくった薄皮とたっぷり詰められたあんが特徴で、食べ続けても飽きない味わいだ。ほかに、キャベツやニンジンなどの野菜が入った野菜パンも負けず劣らずの人気を誇る。2017年には本店(旧館)の横に新館がオープンした。新メニューの開発はもちろん、来店客にくつろぎのひとときを過ごしてもらえるようにカフェも併設されている。群山を訪れるなら旧館と新館を同時に回るのがおすすめだ。

© 李盛堂