ギリシャヨーグルトを乗せて焼いたエルサレム・アーティチョーク (roasted sun choke with labnah, pomegranate)。 Photo by Feed It Creative
メニューとしては、何人かでシェアして食べられる約12種類の小さな料理と5皿からなるコースのシェフおすすめテイスティングメニューがある。テイスティングメニューの構成は、エルサレム・アーティチョークを添えたタラの料理(cod with sunchokes)、和牛のカルビ(wagyu short rib)、イカのボロネーゼパスタ(pasta with squid bolognese)、フォアグラを使ったアペタイザーにデザートなどだ。エデンヒルはシアトルの中でもデートやイベントなど、特別な記念日に訪れるファインダイニングレストランとして地位を築いた。クイーンアン地域特有の多様で自由な環境がこの土地ならではの精巧な芸術的料理とマッチし、ありきたりでないものを好む美食家をとりこにしたのは当然のことだ。
5皿からなるテイスティングメニューを出すファームトゥーテーブルレストランは、エデンヒルレストランだけではない。クイーンアン地域からもう少し北にあるフリーモント地域には、ロカボア(locavore) メニュー専門の「アートオブザテーブル(Art of the Table)」がある。ロカボアは「ローカル(local)」とラテン語の「食べる(vore)」を合わせた単語で、居住地から半径160キロ以内で栽培、飼育されたローカル食材を主に消費する人や運動のことだ。アートオブザテーブルは2007年、太平洋沿岸北西部の生産者のためにオープンした。食べ物を栽培し、育て、釣ることに人生をささげる生産者たちの献身を尊重し、彼らが提供する新鮮な食材をたたえるためだ。
太平洋沿岸北西部のテクスチャーとカラーからインスピレーションを得て完成させたシェイカー+スピアのインテリア。Photo by Aubrie Pick
太平洋が抱く新鮮な海産物の誘惑、シェイカー+スピア
今度はダウンタウンの方に移動しよう。パイクプレイスマーケット(Pike Place Market)から2ブロック先にある「シェイカー+スピア(Shaker + Spear)」は海産物専門のレストランだ。ここでは、西海岸を旅して太平洋の採れたての海産物を楽しむことがどのような気分かを知ることができる。当然の話だが、海で採れる食材にも旬がある。海産物のメニューもシーズンによって変わるということだ。ミニョネットが添えられた生ガキ(Raw Oysters with Mignonette and Celery)、タラのベニエ(Salt Cod Beignets)は数々のブランチメニューの中でも人気がある。
酸味のあるライムジュースにスパイシーなチリと塩味の組み合わせが素晴らしいマルガリータ、またはワシントン州のローカルワインを合わせれば最高だ。店のインテリアはシアトルの建築事務所、グラハム・ババ・アーキテクツ(Graham Baba Architects)が色あせた木、鋳込ガラスなどを使ってモダンで軽快なイメージでデザインした。