
コーヒーだけで十分な済州の小さなカフェ
韓国南部・済州にはコーヒーにこだわったカフェが多い。コーヒー豆からエスプレッソの味、店内の雰囲気まで、規模は小さくともコーヒーの味だけを求めて週末には行列ができるカフェがある。
済州島旅行において、カフェを選ぶ基準は何だろうか?海が見える眺望の良さ、家族とくつろぐのに適した店内、フォトスポットや済州ならではのデザートと飲み物がある店など、旅行者の好みや目的によって好まれるカフェは異なる。今回紹介する五つのカフェは、一にも二にもコーヒーが重要だという旅行者のための空間だ。海が見えるわけでもなく、店内も広くなく、長く座っているのも難しい。それでもコーヒーの味だけを求めて、わざわざ訪れる場所。バリスタ1人だけで切り盛りしている店は不定休の場合もあり、休業日は主にSNS(交流サイト)で確認できる。
ジェレミー

ジェレミーは、済州島の西側、涯月邑涯月里の通り沿いにある小さなカフェで、小さな商店に挟まれて静かにたたずんでいる。ここを知らない通りすがりの人にとってはただのこぢんまりとしたカフェだが、ジェレミーを知っている人にとっては涯月里に来たら立ち寄らずにはいられない場所だ。椅子が10脚にも満たないため、4人以上のグループは入れない。その分、1人でも入りやすい。
ハンドドリップコーヒー一杯を注文しただけでも、コーヒーと一緒に水、ミルク、砂糖がトレーにきちんと載せられる。好みに応じてミルクや砂糖を入れるよう言われなくても、トレーを見れば分かる。ハンドドリップコーヒーだけでも十分満足できるのであえてミルクを入れなくてもと思うが、コーヒーが3分の1程度になるといつもミルクと砂糖を入れてラテにしてしまう。
ハンドドリップコーヒー一杯を注文しただけでも、コーヒーと一緒に水、ミルク、砂糖がトレーにきちんと載せられる。好みに応じてミルクや砂糖を入れるよう言われなくても、トレーを見れば分かる。ハンドドリップコーヒーだけでも十分満足できるのであえてミルクを入れなくてもと思うが、コーヒーが3分の1程度になるといつもミルクと砂糖を入れてラテにしてしまう。



常連とおぼしき町内の人が絶えず訪れ、コーヒーをテイクアウトで注文していく。家や仕事場の近くにこんなカフェがあれば、暮らしの質がかなり上がりそうだ。住民だけでなく旅行者らしき客も多い。こんなに小さなカフェをどうやって知ったのかと思うほど客足が絶えない。カウンター席のみなので、待っている人たちに背を向け、コーヒーカップだけに向かい合うことができる。コーヒーの味に集中する時間だ。自家焙煎したコーヒー豆も販売している。
住所 済州市涯月邑涯月路106-1
営業時間 09:00~17:30(日・月曜休業)
インスタグラム @jeremy_aewol
住所 済州市涯月邑涯月路106-1
営業時間 09:00~17:30(日・月曜休業)
インスタグラム @jeremy_aewol
ゴトコーヒーバー

ゴトコーヒーバーは、涯月の落ち着いた雰囲気の地域にある。一目見れば一戸建てを改装したと分かる。藍色の瓦ぶきの大きな門と、小さな庭を通って店内に入ると、外見から予想する姿とは全く違う風景が待っている。天井から壁まで木が使われたインテリアのおかげで、日本の静かなカフェに来たかのようだ。一方、ステンドグラスで覆われている窓のせいか、小さくひっそりとした教会に入ったような気分にもなる。ダークなウッドトーンのインテリアとステンドグラスが自然と心を落ち着かせてくれる。


リビングだった場所はL字型のカウンターに変身した。カウンターの内側で2人のバリスタがコーヒーを入れている。エスプレッソとドリップコーヒーをそれぞれ違うバリスタが作ってくれたが、どちらも素晴らしい味わいだ。ドリップコーヒーは香りを確認してコーヒー豆を選ぶことができ、エスプレッソも砂糖を入れて飲みやすいように丁寧にセットしてくれる。普通はカウンターというと狭いテーブルを思い浮かべるが、テーブルの幅がかなり広い。部屋を改装してテーブルを置き、ゆったりとコーヒーを楽しむことができる。狭い店内にもかかわらず、男女のトイレが分かれている。味だけでなく、コーヒーカップなどのテーブルウエア、テーブルの配置、トイレなど、あらゆるところにきめ細かい配慮が行き届いている。
住所 済州市涯月邑旧厳洞3ギル56
営業時間 毎日11:00~19:00
インスタグラム @goto_coffeebar
住所 済州市涯月邑旧厳洞3ギル56
営業時間 毎日11:00~19:00
インスタグラム @goto_coffeebar
アイランド・ゾルバ

アイランド・ゾルバは済州のカフェの歴史を語る上で欠かせない所だ。旧左邑月井里に初めてオープンしたアイランド・ゾルバは、オープンと同時に旅行者の間で有名になった。十数年前に静かな坪垈里に移転し、その後リニューアルを経て、あるグルメ番組に出てからはしばらく人が押し寄せるなど多くの変化があった。だが驚くべきことに、ここはいつも静かだ。いつ訪ねても落ち着きを保っている。それは、コーヒーに対する一途な心と姿勢で黙々と店を守っているオーナーバリスタの力だ。エスプレッソやハンドドリップだけでなく、レモンコーヒー、唐柚子エード、チャイ、ミスッカル(穀物で作る伝統飲料)などさまざまなドリンクをバリスタ1人で作る。長年のノウハウが盛り込まれたメニューなので、どの飲み物も満足できる。



たった一つの材料もおろそかにしない。ここでは精製されていない砂糖を使っている。自家製の唐柚子シロップは未精製の砂糖で、バニラシロップもバニラビーンズで手作りしている。時々販売されるレモンパウンドケーキも、済州産有機レモンに最上級バターを入れて手作りで焼く。コーヒー豆はフェアトレードの生豆をローストして使用し、オンラインでも販売している。ドリップバッグも逸品だ。
住所 済州市旧左邑テスキル9
営業時間10:00~18:00(月・火・水曜休業)
インスタグラム @islandzorba
住所 済州市旧左邑テスキル9
営業時間10:00~18:00(月・火・水曜休業)
インスタグラム @islandzorba
アーバンブルーイング

アーバンブルーイングという名前にとてもよく似合う場所にある小さなカフェで、古いクリーニング店を改装した店だ。済州市の旧市街地にある観徳亭のすぐ向かい側にある。ここでは世界のスペシャルティロースタリーのコーヒー豆をセレクトし、人気メーカー、ケメックスのドリッパーで入れてくれる。ハンドドリップのワンデイレッスンも行っている。



店内にはコーヒー豆が並んでおり、香りを試して選ぶことができる。コーヒー豆の購入も可能だ。済州島という韓国南部の小さな島で世界各地のコーヒー豆を味わうことができるなんて!アーバンブルーイングでしかできない、うれしくて楽しい体験だ。それだけに、一つ一つの豆の香りを丁寧にかぎ、慎重に選んで注文せざるを得ない。ケメックスブルーイングコーヒーのほか、グラニータ、タルゴナクリームラテなどのメニューもある。店内にも席があるが、天気が良ければカフェの前の椅子に腰掛けて観徳亭と旧都心路地を眺めながら飲むことをおすすめする。そうしてこそ、アーバンブルーイングを十分に楽しんだといえるだろう。
住所 済州市観徳路16-1
営業時間 毎日9:00~18:00
インスタグラム @urbanbrewing.official
住所 済州市観徳路16-1
営業時間 毎日9:00~18:00
インスタグラム @urbanbrewing.official
ローラーコースト

ついに咸徳にもコーヒーがおいしいコーヒーバーができた! 咸徳海水浴場は昔ながらの有名観光地だが、フランチャイズカフェや大規模なカフェばかりが並び、コーヒーの味そのものを楽しめるカフェは見つからなかった。長い間カフェ不毛の地だった咸徳に、感じのよい小さなコーヒーバーがオープンしたといううわさは瞬く間に広まった。
店名はローラーコースト。カフェがある咸徳海水浴場にちなんだ名前だ。海辺と山が続く独特な景観がまるでジェットコースターのようだというのでつけられた名前で、コースターの代わりに海辺を意味するコーストという言葉を使った。カフェから顔を出すと、犀牛峰やヤシの木、海が一望できる。店名だけでなく、青い外観も咸徳の海に似ている。
店名はローラーコースト。カフェがある咸徳海水浴場にちなんだ名前だ。海辺と山が続く独特な景観がまるでジェットコースターのようだというのでつけられた名前で、コースターの代わりに海辺を意味するコーストという言葉を使った。カフェから顔を出すと、犀牛峰やヤシの木、海が一望できる。店名だけでなく、青い外観も咸徳の海に似ている。


メニュー構成はシンプルだ。エスプレッソ、アメリカーノ、カフェラテ、カプチーノ、そしてクリームコーヒーのビンテージクリームラテ。コーヒーは一口飲めば「おいしい!」という言葉がおのずと出てくる。 デザートは店内で焼いているエッグタルト1種類のみ。卵の新鮮な風味が感じられ、ソフトで香ばしい味がコーヒーと好相性だ。
住所 済州市朝天邑朝咸海岸路592-4
営業時間10:00~17:00(日曜休業)
インスタグラム @cafe.rollercoast
住所 済州市朝天邑朝咸海岸路592-4
営業時間10:00~17:00(日曜休業)
インスタグラム @cafe.rollercoast

済州での滞在:ロッテホテル済州
ロッテホテル済州は500の客室を持つリゾートホテルで、中文観光団地にある。南アフリカ共和国のリゾートホテル「The Palace of the Lost City」をモデルにした設計と済州の恵まれた自然が調和し、異国的な雰囲気にあふれている。オールデイダイニングレストラン「ザ・キャンバス(THE CANVAS)」では、シェフが厳選した済州の最上の食材で調理した約140種類のメニューを味わえる。四季を通じて利用できる温水プールやハローキティのキャラクタールームなど、多彩な施設が家族連れやカップルに人気だ。
住所 済州道西帰浦市中文観光路72番キル35
電話 +82-64-731-1000
ホームページ www.lottehotel.com/jeju-hotel
住所 済州道西帰浦市中文観光路72番キル35
電話 +82-64-731-1000
ホームページ www.lottehotel.com/jeju-hotel