Kポップ、Kドラマ、Kフード、Kビューティーなど、韓国の文化コンテンツが世界を魅了している。東大門デザインプラザ(DDP)にあるB the Bは、近すぎてよく見えなかった韓国文化の現在地が一目で分かるKカルチャースペースだ。

B the Bは「Beyond the Beauty」と「Be the Beautiful」の略語だ。化粧品だけにとどまらず、広い意味での美しさと自分だけの美しさを見つける空間という意味が込められている。過去のビューティー体験は化粧品のテスターを試す程度だったが、B the Bでは先端技術がビューティー分野をどのように変えていくのかを知ることができる。例えば、肌データを基盤とするビューティー・ヘルスケアプラットフォーム企業であるルルラボ(lululab)の「ルミニ・キオスクV2」は、1回の撮影で7項目の肌の状態を分析してくれる機器だ。肌のデータを基盤とするビューティーキュレーションプラットフォームといえるが、ユーザーの肌について「見た目は乾燥肌だが、内側は脂性肌」といった踏み込んだ分析をしてくれる。分析結果に合わせてユーザーに適した化粧品も選んでくれる。
基礎化粧品ブランドのスキンフィットプログラムも同様の概念でユーザーにアプローチする。肌分析用の専用レンズを携帯電話に取り付ければ、プログラムをインストールしなくてもユーザーの肌を撮影することができる。AI（人工知能）はユーザーの肌データを分析し、肌の診断書と個人に合わせた化粧品の使用説明書を提供する。ほかにも、B the Bでは多種多様なデジタル技術に触れることができる。ユーザーの顔にリアルタイムで眼鏡やイヤリングなどを合成し、自分に似合うアクセサリーが選べるようサポートするAR（拡張現実）プログラムや、ユーザーが選んだデザインのタトゥーをあっという間に体に描いてくれる機械もある。タトゥーは化粧品の染料を用いたもので、簡単に消すことができる。

巨大な森をモチーフに造成されているからか、B the Bは地下にあるのに涼しく快適だ。人工林道に沿って歩いていくと、Kビューティーブランドの製品をテストできる休憩場所が現れる。ここでは製品の横のQRコードにアクセスして商品の詳しい情報を確認できるだけでなく、そのまま購入することもできる。
ブランドゾーンを通り過ぎると、ソウルの未来を先導するテック企業製品の常設展示館、テックゾーンが現れる。将来的に導入されるソウル型ライフスタイルを一足先に体験できる空間だ。今日の肌の状態を確認してくれる鏡のほか、時計や眼鏡、イヤリングなどのファッションアイテムをバーチャルで試着できるソリューション、リアルタイムで肌の状態を測定し、微小電流と振動でクレンジングや角質除去などができる電子スティック、AIを基盤とする頭皮・脱毛分析ソリューション、ユーザー自身が組み合わせるパーソナライズされた香りのソリューション、簡単に消せるタトゥーを瞬時に入れられるデバイスなど多彩な製品が展示されている。このほか、VR（仮想現実）でソウルの風景を見学したり、ARを利用して染色などのスタイリングや写真撮影をしたりするのも楽しい体験だ。

美しさの概念は複合的だ。文化、芸術、自然はもちろん、同時代の科学技術まで含んでいるからだ。このような複雑さのせいで近いのに近寄りがたく、難しそうに見える。B the Bはまさに今、世界を魅了する韓国の美しさがどのようなものかを圧縮的に見せてくれる。韓国の今この瞬間が気になるなら、B the Bを訪れる価値がある。

住所 ソウル市中区乙支路7街281 DDPマーケット
電話 +82-2-2153-0770
ウェブサイト btheb.sba.kr