TRAVEL & EXPERIENCE

水と植物の巨大なテーマパーク、ソウル植物園
ソウル植物園がついにオープンした。総面積はサッカー場70個分の50万4000平方メートル。温室は国内最大規模を誇る。
「熱帯地方ってこんなに暑いの?」と子どもが言う。「変わった形の木だね」と後ろを歩いていた男性がつぶやく。植物文化センターの温室熱帯館の中では、人々が遠い国から来た見慣れない植物を見ながらそれぞれの感想を話し合っている。2月の平日の午後2時、温室は人でいっぱいだった。温室熱帯館の天井を横切るスカイパークはまるで詰まったパイプのようだった。ソウル市江西区麻谷洞にあるソウル植物園は3年間の工事を経て昨年10月11日に市民に開放された。プレオープン中にもかかわらず、1カ月に60万人以上の人がここを訪れた。2月24日現在の入場客は約170万人。ソウル植物園はのっけから大きな歓迎を受けている。
서울식물원

温室地中海館

湖と公園がある植物園
ソウル市メトロ9号線と空港鉄道の麻谷ナル駅3番出口を出れば、ソウル植物園は目の前だ。植物園がある江西区麻谷地区は、2007年に麻谷都市開発事業の一環として漢江の水を引き込んで航路を作るというウォーターフロント計画が推進された場所だったが、開発方向の変更により現在の姿になった。余暇や休息を楽しめる公園と植物の保全や研究、教育機能をもつ植物園が結合したソウル植物園は、「開かれた森」「テーマ園」「湖水園」「湿地園」の4エリアで構成されている。テーマ園が伝統的な植物園の機能を忠実に果たす一方、残りの空間は公園としての役割を担っており、24時間開放されている。このような意味から、ソウル植物園の英語名は植物園を意味する「ボタニックガーデン」の代わりに「ボタニックパーク」が使用されている。地下鉄の出入り口のそばに広がる「開かれた森」には、入場客を迎える「訪問者センター」とピクニックが楽しめる「芝生広場」、そして大人向けのガーデニング専用教育空間「森文化院」があり、祭りや展示などさまざまなイベントが行われる。
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ソウル植物園で実施中の展示「ソウル植物園誕生記録」の一部

湖と湿地の存在から推測できるように、ソウル植物園は水と植物をテーマに作られた。広大な敷地に湖と湿地、公園と植物園が並んでいる。麻谷ナルの平野地帯は長い間農業地域だった。何もない土地に人工湖と丘を作り、風景に変化を与えた。湖とその周辺の散策路、デッキなどを含む湖水園は、植物園をさらに豊かにしてくれるポイントだ。湿地園はソウル植物園と漢江が出会う地点にある。湿地に住む生物をそのまま保存して教育にも活用できるようにし、湿地園につながる漢江インターチェンジを通って自転車でも気軽に植物園を訪れることができるよう整備された。(湿地園は5月の正式オープンに合わせて公開予定)
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植物文化センターのロビー

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植物文化センター2階のギフトショップ

異国的な温室と韓国的な庭園
ソウル植物園のランドマークはテーマ園の「植物文化センター」に属する「温室」だ。直径100メートル・高さ25メートル、およそマンション8階分の高さの温室の中に、熱帯と地中海にある世界12都市から植物を集めた。ソウル植物園の温室は外観からして特別だ。温室といえばドーム型を思いうかべるのが一般的だが、ここはドーム型ではなくくぼんだ器の形をしている。ドーム型の場合、中央に背の高い木が植えられ、来場客が中央を見ながら温室を回るのが特徴だ。これとは反対に、ソウル植物園の温室は端っこに背の高い木が植えられ、視線が外に向かうようになる。外観の違いはこのように視線の違いを作り、植物と一緒に透明な温室越しに外の風景も鑑賞できる。もちろんこのような形態には短所もある。中央がくぼんでいるため、光を集めるのが困難になる。構造的な短所は素材で補完された。六角形の植物細胞の形に作られた天井に光の透過率がガラスより優れた新素材、ETFEを使用した。このような違いは、温室を構成する興味深い要素にもなる。
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スカイウォークから見下ろす熱帯館

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熱帯館入口の植物に覆われた洞窟

温室は熱帯館と地中海館に分かれている。地下1階の熱帯館から入場し、両展示館をすべて観覧した後、熱帯館の天井に設置されたスカイウォークを経て地上1階に出るのが一般的なルート。熱帯館の入口で最初に入場客を迎えるのは大きなベンガルゴムの木だ。下へと延びる枝が地面に届いて根を張り、新しい幹になるベンガルゴムの木は、根っこと幹がからまって複数の木に見える特徴をもつ。熱帯地域ではどんどんと横に成長する巨大な木だ。ベンガルゴムの木の後ろには釈迦を象徴する木である菩提樹がある。韓国にある菩提樹の中では最大だ。熱帯館から地中海館に入るとさまざまな形のサボテンが目に飛び込んでくる。イタリア風の小さな噴水広場も異国ムードを演出し、噴水のすぐ前が地中海館のフォトスポットだ。ここでは写真撮影の順番争いが繰り広げられる。地中海館の最後にはオーストラリアから来たバオバブの木が待っている。サンテグジュペリの「星の王子さま」で有名なバオバブの木は、子どもたちから特に人気が高い。地中海館を見終わったら、中央のエレベーターに乗ってワンフロア上のスカイウォークを歩こう。熱帯雨林を歩いているような気分になるように考案された装置で、熱帯館を見下ろすと植物を正面から見るのとは違った感動が得られる。
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地中海館のオーストラリアのバオバブの木

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地中海館のサボテン

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熱帯館を楽しむ親子連れ

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ベンガルゴムの枝

植物園は、異国的な植物だけで埋めつくされているわけではない。温室の前の「テーマ庭園」は8つのテーマで韓国の植物と庭園文化を見せてくれる。韓国に自生する植物で伝統庭園を再現したものだ。例えば「思索の庭園」はあずまやなどの要素を通じて自然景観を引き出す、韓国庭園の特徴である借景を表現している。自然に逆らわず、素朴ながらも美しい伝統韓国庭園の美学に浸るチャンスだ。テーマ庭園は正式オープンの日程に合わせて新たな草花を植栽するなど整備を進めており、オープン後にはテーマ庭園と温室は有料で運営される予定だ。
서울식물원

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温室熱帯館

子どもと共に育つ未来
ソウル植物園でもう一つ注目すべき空間は、植物文化センター1階にある「種図書館」だ。ソウル植物園は子どもたちが自然に親しみ、生物多様性の重要さを学べるように手助けする教育・研究機関の役割にも重きを置いている。種図書館もそのための場所の一つだ。種図書館では種を本のように貸し出してくれる。入場客は借りた種を家に持ち帰り、直接育てることができる。貸し出し可能な種は韓国固有の種で構成されており、より特別感が増す。借りた種で大切に育てた植物を写真という形で返却することで、再び種を借りることができる。ここでは多くの人が種図書館で種について説明を聞き、空間を楽しんでいた。ソウル植物センターの「植物専門図書館」で植物図鑑を読む子どもや、常設図書館で気候変動と植物について遊びながら学ぶ子どもたちを見ると、ソウル植物園の今後が楽しみになった。
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種図書館

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植物専門図書館で本を選ぶ子ども

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種図書館

たくさんの人が正式オープン前からソウル植物園を訪れた。1回行けば十分だと考えるかもしれない。だが、ソウル植物園はまだ完成形が公開されていない。そして、間違いなく季節ごとに違った風景を見せてくれるはずだ。春には開かれた森を埋めるヤマザクラ、夏には湖水園の憩いの場の柳、秋には湖のそばの街路樹通りに植えられた紅葉やコスモスが迎えてくれるだろう。ソウル植物園は空港鉄道麻谷ナル駅と直結しており、金浦空港や仁川空港を通じて出入国する旅行客、乗り継ぎで韓国を訪れた旅行客にも最適な旅行地だ。温室は午後4時に入場が締め切られ、6時まで観覧できる。人波にもまれずに静かに楽しみたいなら入場時間や締め切り時間に合わせて訪問することをお勧めする。温室を回って外に出れば、夕焼けの湖が待っていることだろう。
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花のおしべとめしべを思わせる温室の外観

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熱帯館と地中海館の間に伸びる散歩道

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ソウル植物園温室の全景 ©ソウル植物園

住所 ソウル市江西区麻谷東路161
ホームページ botanicpark.seoul.go.kr
April 2019 編集:金慧元
写真:煦兰

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  • April 2019
  • 編集: 金慧元
  • 写真: 煦兰
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