
砂漠と海の間、ムイネー
ベトナムのムイネーを訪れると、大変ながらも平穏な日常と旅先の美しい風景のどちらにも出会うことができる。
村上春樹は紀行文集「ラオスにいったい何があるというんですか?」で、いったい何があるから行くのかという誰かの質問に、その「何か」を探すためにラオスに向かうのだと言った。旅先で疲れたり失望することもあるが、「私が想像もしなかったその何かを見つけること」が旅に対する村上春樹の考えなのだ。
ムイネーで見つける数多くの何か
そのような観点からみるとベトナムのムイネーは「その何か」が多く存在する旅行地だ。観光する場所も体験することも多いが、何より現地人の生活と日常を自然に感じることができる。
ムイネーはベトナムの南東に位置するビントゥアン省ファンティエット市の坊だ。坊とは日本でいう町くらいだろうか。ベトナムの行政区域上最も小さい単位である。韓国国内で出版されているどのベトナム旅行案内書を見てもムイネーに関する内容はたった1~2ページほど。ホーチミンから5時間ほどバスに乗ると到着する小さなリゾート地であるという程度の扱いだ。しかし、都市を離れたベトナムの現地人の日常に触れ、一味違った旅をしたいのならムイネーほどピッタリの場所はない。
ホーチミンからバスに乗ると5時間ほどでムイネーに到着する。ムイネーにどのくらい滞在するかによって出発時間を決めるとよい。ホーチミンを夜に出発する寝台バスに乗れば夜明け前に到着でき、時間を節約できる。余裕があるのなら昼に出発してもよい。
ムイネーはベトナムの南東に位置するビントゥアン省ファンティエット市の坊だ。坊とは日本でいう町くらいだろうか。ベトナムの行政区域上最も小さい単位である。韓国国内で出版されているどのベトナム旅行案内書を見てもムイネーに関する内容はたった1~2ページほど。ホーチミンから5時間ほどバスに乗ると到着する小さなリゾート地であるという程度の扱いだ。しかし、都市を離れたベトナムの現地人の日常に触れ、一味違った旅をしたいのならムイネーほどピッタリの場所はない。
ホーチミンからバスに乗ると5時間ほどでムイネーに到着する。ムイネーにどのくらい滞在するかによって出発時間を決めるとよい。ホーチミンを夜に出発する寝台バスに乗れば夜明け前に到着でき、時間を節約できる。余裕があるのなら昼に出発してもよい。

赤い壁と生い茂る林の間の渓流を歩く旅行者たち

「妖精の渓流」の赤い渓谷はSNSのフォトスポットとして有名だ。
妖精でなければつくれない渓流
早朝、慌ただしくムイネーの中心街であるボケ通りを出発し、海辺にむかうとムイネーの名所「妖精の渓流(Fairy Stream、 ベトナム語で Suoi Tien)」が見えてくる。どれだけ日照りが続いても枯れることがないことからつけられた名前だ。長年の浸食により赤い砂の丘が低くなり、丘をつたって流れ落ちる石灰水が長い渓谷をつくり出している。丘の下には枯れることのない浅い泉が湧き出ているが、よく見てみると赤い色をした泥水だ。柔らかくきめの細かい砂が混じっており、この中を裸足で歩くとふわふわとした感触だ。流れに沿って歩いて行くとまるで「スターウォーズ」のドロイドの戦闘シーンに出てくる渓谷のような異質的な石灰岩の壁が現れる。ここが「リトルグランドキャニオン」とも呼ばれる理由がわかった。渓谷の形態や構造がグランドキャニオンに似ているのだ。もちろん規模はグランドキャニオンには遠く及ばないが。
赤い壁のある道の向かいにある密林のように生い茂っている林の中の道を歩いて行くと狭く曲がりくねった道の奥にいくつかの露店と食堂、小さな滝が現れる。小さな露店で氷の入ったビールを一杯飲むのがこの旅の完璧なしめくくりだ。
赤い壁のある道の向かいにある密林のように生い茂っている林の中の道を歩いて行くと狭く曲がりくねった道の奥にいくつかの露店と食堂、小さな滝が現れる。小さな露店で氷の入ったビールを一杯飲むのがこの旅の完璧なしめくくりだ。

大きな漁船とお椀型の船トゥエントゥンが浮かぶムイネーのフィッシングビレッジののどかな風景。

ムイネーの海辺の風景を眺めているフィッシングビレッジの住民

ムイネーではヌクマムの材料となるカーコムがたくさん獲れる。
漁村のありのままの生活
妖精の渓流を後にし、車で5分ほど移動すると3キロほどの場所にあるムイネーのフィッシングビレッジ(Fishing Village)に到着する。その名の通りムイネーの小さな漁村だ。
ムイネーは観光地として知られる前から海で魚を獲って生計を立てている漁村だった。今でも多くの村民が海で獲れる魚介類に頼って生活している。フィッシングビレッジに到着すると漁船がひしめく海の風景や網を手入れする人々が目に飛び込んでくる。竹を細かく編んで作った大きいお椀形の船トゥエントゥンと小さいボート、モーターのついた二階建ての漁船が混ざり合って浮かんでいる。漁村を訪れると感じられる生臭いにおいが鼻につくが、それが漁村の日常だ。
ムイネーは観光地として知られる前から海で魚を獲って生計を立てている漁村だった。今でも多くの村民が海で獲れる魚介類に頼って生活している。フィッシングビレッジに到着すると漁船がひしめく海の風景や網を手入れする人々が目に飛び込んでくる。竹を細かく編んで作った大きいお椀形の船トゥエントゥンと小さいボート、モーターのついた二階建ての漁船が混ざり合って浮かんでいる。漁村を訪れると感じられる生臭いにおいが鼻につくが、それが漁村の日常だ。

漁を終えて船を片付ける漁師
早朝、フィッシングビレッジを訪れると魚をたくさん積んだ漁船が入ってくるのを見ることができる。埠頭でとれたての魚介類を手に入れるには交渉が必要だが、ほとんどの場合魚介類で有名なボケ通りよりも安く買うことができ、ロブスター一匹を5000ウォン(約470円)しないくらいの価格で買えることもある。海に直接出てみたければ漁師と交渉してトゥエントゥンに乗ってみることも可能だ。

早朝、海に広げておいた大型の網を片付ける漁師たち
朝、フィッシングビレッジの海岸を歩いていると人々が大型の網を引いている姿を目にする確率が高い。夜の間海中に広げておいた網にはイワシのような「カーコム(Ca Com)」という魚がたくさん入っている。カーコムはベトナム料理の魂とも言える「ヌクマム」の材料になる魚だ。ムイネーがヌクマムの主要産地として有名な理由が正にここにある。カーコムの他にも天日で一日ほど干したイカもムイネーの特産品だ。

空から見た砂丘の風景
風に乗って飛んできた砂が作った広い丘
ムイネーで最も人気がある観光地は他でもない砂漠だ。ベトナムになぜ砂漠がと思うだろうが、正確に言うと風に運ばれてきた砂が海岸の近くに積もって大きな砂の丘になった場所、すなわち砂丘(sand dune)だ。ムイネーには砂丘が2カ所ある。ムイネー市内には黄土が混ざって赤い色をしたレッドサンドデューン(Red Sand Dunes)が、市内を出て約40キロほど離れた場所にはホワイトサンドデューン(White Sand Dunes)がある。

砂丘を横切るムイネーの住民たち

旅行者たちは砂丘でサンドサーフィンを楽しむ。
レッドサンドデューンは夕日が美しいことで有名だ。ここを訪れるほとんどの旅行客は3000ウォン(約280円)で借りられるそりでサンドスライダーを楽しみながら日が沈むのを待ち、夕日を鑑賞する。ここは海の近くにあるため砂が塩気や湿気を多く含んでいる。そのため服につきやすいので夕日を楽しんだ後には注意が必要だ。

ホワイトサンドデューンはムイネーの海に隣接している。

四輪バイクを楽しむ旅行者
反対にホワイトサンドデューンは日の出が美しい。ベトナムを訪れた旅行客の多くがムイネーで「人生で最高の日の出」に出会ったと言うほどだ。ホワイトサンドデューンはレッドサンドデューンに比べると規模が大きい。丘を越えると大きな湖があり、砂丘で四輪バイクや砂ぞりのようなアクティビティーを楽しみながら美しい風景を眺めることができる。
ムイネーにあるほとんどの宿泊施設がその日の日の入りと翌日の日の出の時間を教えてくれるが、それは多くの旅行客が日の出と日の入りを鑑賞するためだ。早朝の日の出を見るためにホワイトサンドデューンに行くつもりなら前日にタクシーを予約しておくことをおすすめする。東南アジアの代表的な配車サービス「グラブ(Grab)」が各国でサービスを拡大しているが、ムイネーではまだあまり普及していないため利用することは難しい。
ムイネーにあるほとんどの宿泊施設がその日の日の入りと翌日の日の出の時間を教えてくれるが、それは多くの旅行客が日の出と日の入りを鑑賞するためだ。早朝の日の出を見るためにホワイトサンドデューンに行くつもりなら前日にタクシーを予約しておくことをおすすめする。東南アジアの代表的な配車サービス「グラブ(Grab)」が各国でサービスを拡大しているが、ムイネーではまだあまり普及していないため利用することは難しい。

ファンティエット市場は近隣の地域の住民たちが最も多く集まる市場だ。

ベトナムではバイクはとてもありふれたものだ。

ベトナムの人々の代表的なおやつであるバインセオ
ムイネー市場
ムイネーを代表する市場の名前はその名もムイネー市場(Cho Muine)だ。ベトナム語で「チョー・ムイネー」と呼ばれるが、「チョー(Cho)」とは市場と言う意味だ。主に現地の人たちが利用する市場なので旅行客のための記念品よりも生活必需品や果物、魚介類などが多く売られている。マンゴー1キロが2万ドン(約95円)ほどなので、かなり手ごろな価格だ。夜に訪れるとよいのはファンティエット市場だ。ムイネーがあるファンティエット市の大規模市場としてムイネーの中心街から20分ほどの場所にある。ムイネーの人々も週末の夜になるとここでショッピングをしたり食事をしたりする。手ごろで多様な食事を現地の人々のように楽しみたいのなら旅行客の多いボケ通りよりもファンティエット市場の方がよいだろう。



ホーチミンでの滞在:ロッテホテルサイゴン
ロッテホテルサイゴンはサイゴン河のほとりに位置し、美しいリバービューが自慢のホテルだ。毎月変わる東西洋の多彩な料理を取り揃えるビュッフェレストラン・アトリウムカフェや世界的なアジアンレストラン・クリスタルジェードパレス、伝統的な日本料理店「吉野(YOSHINO)」などのダイニングが変わらない人気を誇っている。その他にも、ホーチミン市で最も広く美しい屋外プールや最先端の運動器具を備えたフィットネスクラブ、サウナなどの付帯施設も宿泊客のさまざまなニーズを満たしている。
住所 2A-4A Ton Duc Thang Street District 1, Ho Chi Minh, Vietnam, LOTTE HOTEL SAIGON
電話 +84-28-3823-3333
ホームページ ロッテホテルサイゴン
住所 2A-4A Ton Duc Thang Street District 1, Ho Chi Minh, Vietnam, LOTTE HOTEL SAIGON
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