
ヨンリダンキルの始まり。竜山郵便局とアモーレパシフィック本社ビル
[LOCAL TOUR] 再び面白くなった新竜山の路地探検
ヨンリダンキルという名前を聞いたことはあるだろうか?ソウルの新竜山が注目されている。化粧品会社、アモーレパシフィックの本社ビルがある新竜山駅から三角地駅まで、周辺のオフィスで働く人や若者たちが集まるヨンリダンキルの人気店や異色のカフェなど、必ず押さえておくべき場所を厳選した。
ヨンリダンキルの宝のようなカフェ、落下傘コーヒー

落下傘コーヒー
落下傘コーヒーは個人経営のカフェのクオリティーとフランチャイズカフェの多様性を兼ね備えた、理想的なカフェだ。二村洞にあるヘルカフェ・スピリタスで経験を積んだバリスタの李勲(イ・フン)が自信を持っているものだけを扱っているからだ。基本のアメリカーノに加え、彼の得意技である牛乳を使った多彩なメニューを開発した。甘いミルクスラッシュにエスプレッソを注いだ落下傘スラッシュは、飲んだ後に口に残るチーズの塩味と香ばしい味が魅力的だ。よく知っているようで初めての、高級感のある味わい。カクテルのブラッディー・マリーに目をつけ、トマトを入れた落下傘ブラッドというメニューもある。

落下傘コーヒーの代表メニュー。フラットホワイトとスコーン

冷蔵庫で冷やしてから飲むとさらにおいしいダッチコーヒーボトルとカフェモカボトル

甘いミルクスラッシュにエスプレッソを加えた落下傘スラッシュ

日光でいっぱいの店。午前の日差しがカフェの奥まで差し込む。
ホットミルクが入ったコーヒーメニューは、牛乳の温度とスチームの程度によって味が左右される。李勲が店で作ってくれる熱いフラットホワイトを味わい、帰りにはキャラメルラテボトルやカフェモカボトルをテイクアウトするとよい。ボトルに入ったコーヒーはすぐに飲んでもよいが、家の冷蔵庫で3~4日熟成させると牛乳と材料がさらに調和し、口の中にまとわりつくようにおいしいという。店で手作りしている、表面はかりっとして中はしっとりさくさくしたスコーンもおすすめだ。食べ物の話ばかりしたが、店に置かれたテーブルやフィンランドの陶器ブランド、アラビアのビンテージカップ、カラフルなポスターなど、視覚的にも満足できる。
住所 ソウル市竜山区漢江大路46キル25
電話 +82-10-5898-7705
営業時間 11:00~19:00、日曜日休業
インスタグラム www.instagram.com/nakhasan.coffee
住所 ソウル市竜山区漢江大路46キル25
電話 +82-10-5898-7705
営業時間 11:00~19:00、日曜日休業
インスタグラム www.instagram.com/nakhasan.coffee
毎日行きたくなるナチュラルワインバー、ファブ

ナチュラルワインとよく合う、無骨ながらも味のあるファブの料理。辛いロメスコソースを添えたタコのサラダ、ブルーチーズクリームのニョッキ、そしてアンチョビとイズニーバター、エシャロットのピクルスを乗せたオープントースト。
ファブには看板がないが、ここを訪れるのは難しくない。三角地駅4番出口を出て直進すれば、10秒もかからず到着するからだ。白い壁、空間を埋める黒いテーブルと椅子が無骨ながらも魅力的に見える。水色のキッチンカウンターの間に、黒い服を着たファブの代表でありシェフ、そしてソムリエのグレゴリー・パクがいる。ナチュラルワインバーのファブは「フェイバリット(Favorite)」の略語で、自分が好きなことをして生きるべきだという気持ちが込められた名前だ。ル・コルドン・ブルーで料理を学び、フレンチレストランで働き、クラフトビールに魅了されたグレゴリー・パクの最終目的地がナチュラルワインだったのだ。韓国でナチュラルワインブームが起こる前、つまり草創期のナチュラルワインバーで約3年間ナチュラルワインを扱い、その魅力にとりつかれた。



黒と水色で飾られたファブの内部
「毎日オープンしているとても平凡なワインバー」を夢見る彼は、八面六臂(ろっぴ)の活躍で毎日客を迎える。ファブで彼が最も好み、得意な仕事は客にナチュラルワインをすすめること。誰かがおすすめを聞けば、どれだけ忙しくとも4~5本のワインを手に出てきて大汗をかきながら熱っぽく紹介する。彼の情熱が通じたのか、オープンからわずか半年にもかかわらず毎日満席が続く人気ぶりだ。
住所 ソウル市竜山区漢江大路159-1
営業時間 18:00~00:00
インスタグラム www.instagram.com/favmeansfavorite
住所 ソウル市竜山区漢江大路159-1
営業時間 18:00~00:00
インスタグラム www.instagram.com/favmeansfavorite
ラオス料理とナチュラルワインのペアリング、ラオピヤク新竜山店



ラオピヤク新竜山店
望遠洞のラオス料理店、ラオピヤクの前に並ぶ長い列に加わる自信がないか、ナチュラルワインが好きならここ新竜山店に行こう。ラオピヤクは韓国では珍しいラオス料理専門店で、ここは2号店となる。望遠店とは異なり、ナチュラルワインとラオス料理のペアリングに焦点を絞ったのが特徴。ラオス風ソースをかけたサケ料理やトガニスユク(ゆでた牛膝肉の薄切り)は新竜山店だけで食べられるメニューで、ナチュラルワインのために特別に作られた。

ナチュラルワインとパパイヤサラダのタムムア、そして鶏肉のフォー、カオピヤク
地理的にタイ、ベトナムに近いラオスは、食べ物も両国と似ている。なかでもカオピヤク(鶏肉のフォー)は、うどんとチョル麺(小麦粉とでんぷんで作った麺)の中間のような独特な食感の生麺で作ったラオスならではの特色ある料理だけに、ぜひ味わってみてほしい。辛い料理が好きなら、テーブルにあるチリソースをカオピヤクに入れて食べることをおすすめする。考えただけでよだれが出るラオス風の甘いグリーンパパイヤサラダ、タムムアもナチュラルワインとよく合う。
住所 ソウル市竜山区漢江大路46キル16
電話 +82-2-749-3008
営業時間 11:30~22:00(休憩時間15:00~17:00)
住所 ソウル市竜山区漢江大路46キル16
電話 +82-2-749-3008
営業時間 11:30~22:00(休憩時間15:00~17:00)
世界に一つだけのカフェラテ、クオーツコーヒー

クオーツコーヒー
グルメを目的に旅行したことがある人なら、クオーツコーヒーの存在だけで新竜山に行く価値がある。カフェラテが好きならなおさらだ。クオーツコーヒーの看板メニュー、クオーツラテは5時間濃縮したミルクで作られる。濃縮したミルクは何も加えなくても自然な甘味と塩味が出るが、ここにケーンシュガー(さとうきび糖)のシロップを入れてうま味を足した。香ばしく風味豊かなクオーツラテ、そして濃縮ミルクにダークチョコレートとコーヒークリームを入れたクオーツモカは、甘いものが恋しくなる午後4時になると思い出すほどおいしい。

建物に取り付けられたクオーツコーヒーの小さな看板

ミルクにフォーカスを合わせた名物メニュー、クオーツモカとクオーツラテ

バリスタの柳燕珠が好きなネイビーカラーで店内を飾った。

クオーツコーヒーの外観
クオーツコーヒーは韓国初の女性国家代表バリスタとして13年の経歴を持つ柳燕珠(ユ・ヨンジュ)とロースターの朴玟庚(パク・ミンギョン)の2人が営んでいる。片隅にロースティングルームがあるここは、4年間コーヒー豆の納品を専門にしてきたクオーツコーヒーの1号店であり、アンテナショップだ。視界が開けた店内は、「私たちはこんなコーヒーを作りますが、どうですか?」と聞ける開かれた空間を作るため、背の高いテーブルをなくしたおかげだ。だから、2人がコーヒーについて質問してきたとしても驚いてはいけない。
住所 ソウル市竜山区漢江大路158
電話 +82-70-4187-4188
営業時間 10:00~18:00、日曜日休業
インスタグラム www.instagram.com/______quartz
住所 ソウル市竜山区漢江大路158
電話 +82-70-4187-4188
営業時間 10:00~18:00、日曜日休業
インスタグラム www.instagram.com/______quartz
ヨンリダンキルの始まり、アモーレパシフィック美術館

古美術所蔵品特別展「APMA, CHAPTER TWO」展示会場の全景 © アモーレパシフィック美術館
ヨンリダンキルの始まりは、アモーレパシフィックの本社ビルだった。地下7階、地上22階で約7000人が勤務するこのビルには、一般人にも人気の美術館、レストラン、カフェなどが入っている。特に1階にあるアモーレパシフィック美術館は、ヨンリダンキルへと人々を呼び寄せた。2018年のプレオープン時に開かれた所蔵品の企画展「APMA, THE BEGINNING」を皮切りに、絵画、インスタレーション、写真、メディアアートなど多彩なジャンルと時代を網羅する展示が行われている。


「バーバラ・クルーガー:フォーエバー」展示会場の全景 © アモーレパシフィック美術館
2019年6月には、世界的な現代美術の巨匠、バーバラ・クルーガーのアジア初の個展「バーバラ・クルーガー:フォーエバー」を開催して話題を集めた。信頼できる美術館であり、親しみやすい美術館として「日常の中の美しさを発見する開かれた空間」を目指すアモーレパシフィック美術館で展示を見た後は、美術館の隣にあるライブラリーで図録を鑑賞し、余韻にひたることができる。
住所 ソウル市竜山区漢江大路100
電話 +82-2-6040-2345
開館時間 10:00~18:00、月曜日休館
ホームページ apma.amorepacific.com
住所 ソウル市竜山区漢江大路100
電話 +82-2-6040-2345
開館時間 10:00~18:00、月曜日休館
ホームページ apma.amorepacific.com
ベトナムの辛い味、ヒョットゥ

ヒョットゥ2階の内部

辛いヒョットゥのフォーと混ぜ麺のブンティッヌオン
ヨンリダンキルを歩いていてまるで東南アジアにあるような店を見つけたら、ヒョットゥである可能性が高い。ヨンリダンキルを代表する人気店で、「フォー(PHO)」と赤い文字で書かれた立て看板が迎えてくれるヒョットゥは、ベトナム料理専門店だ。2階建ての店内は、ベトナム現地の雰囲気が感じられる小物で飾られている。プラスチックの青いテーブルと赤い椅子は、ベトナムで使われているものを持ち込んだ。ビールを注文すると、一緒に氷が入ったグラスが出てくるのもベトナム現地の気分を感じさせる。



可愛らしいヒョットゥの店内
現地の味をそのままに独創的なレシピを加えた、エビ、イカ、ムール貝などの魚介類とレモングラス、ライムの葉、バジルを入れた辛い海鮮フォー、ヒョットゥフォーが名物だ。かなり辛いが、うまみのある辛さで、食べるほどに後を引く魅力的な料理だ。ココナツと一緒に1日寝かせた鶏の肩肉をかりっと揚げたフライドチキンも人気がある。しめのメニューには塩辛い味付けの豚肉と新鮮な野菜、東南アジアのハーブをフォーの麺と一緒にニョクマムソースであえて食べるブンティッヌオンもおすすめだ。
住所 ソウル市竜山区漢江大路40ガキル6
電話 +82-2-794-0526
営業時間 月~金曜日 11:30~22:00(休憩時間 15:00~17:30)、土~日曜日 11:30~21:00(休憩時間 15:00~17:00)
インスタグラム www.instagram.com/hieutu_seoul
住所 ソウル市竜山区漢江大路40ガキル6
電話 +82-2-794-0526
営業時間 月~金曜日 11:30~22:00(休憩時間 15:00~17:30)、土~日曜日 11:30~21:00(休憩時間 15:00~17:00)
インスタグラム www.instagram.com/hieutu_seoul
ブティックスタイルのワインボトルショップ、ワインベリー

ワインベリー
このところ三角地駅周辺にワインに関するショップがいくつもできているが、ワインベリーもその一つだ。赤いれんが造りの建物の狭い階段を下りると、ぶ厚い鉄のドアの向こうでワイングラスに入ったピンクの豚(ワインベリーのロゴ)が出迎えてくれる。まるで秘密のアジトに入ったような気分になるここは、昨年10月にオープンしたボトルショップだ。小さな空間だが、既存のコマーシャルワインからナチュラルワインまで、取り扱う品目は幅広い。誰にでも好まれる、お墨付きのワイン約200種をリストアップした。

ワインベリーの外観

ワインセラーに保管されたワイン

陳列されたワインには価格が書かれている。
壁一面に並んだワインボトルには数字が書かれているが、これはそれぞれの価格で、負担なくショッピングができるよう配慮したものだ。ワインを選ぶ前に試飲もでき、全てのワインは冷やされているため購入後すぐに飲むことができる。通りすがりに立ち寄ってワインを味見し、購入できる場所を目指しているが、店内はブティックのようにすっきりとしている。ワインベリーで購入したワインは、同じ建物の1階にあるブランチカフェ兼レストラン、ベルトで食事と一緒に楽しむことができる。
住所 ソウル市竜山区漢江大路62タギル9、地下1階
電話 +82-10-8511-8847
営業時間 火~土曜日 12:00~23:00、日曜日 11:00~17:00、月曜日休業
インスタグラム www.instagram.com/winebelly_stuffed
住所 ソウル市竜山区漢江大路62タギル9、地下1階
電話 +82-10-8511-8847
営業時間 火~土曜日 12:00~23:00、日曜日 11:00~17:00、月曜日休業
インスタグラム www.instagram.com/winebelly_stuffed