
竹林への旅、釜山アホプ山の森
多くの映画やドラマに登場したアホプ山の森に散策に出掛けた。四季折々の竹林が楽しめるここは今、晩秋の旅の趣に満ちている。釜山・機張の海やロッテワールド釜山とあわせて訪れたい旅行コースだ。
北東アジアの人は、竹への愛が遺伝子レベルで刷り込まれているようだ。韓国の両班(貴族階級)は竹を「四君子」「歳寒三友」とたたえ、庶民は竹を暮らしの道具の素材として幅広く使うのはもちろん、タケノコも食材として活用してきた。竹林には何にも代えられない独特な趣がある。韓国映画「群盗」や「侠女:刀の記憶」(原題)など、さまざまなメディアに登場する竹林は作品の内容と同じぐらい印象的に脳裏に刻まれている。
深まる秋、画面の中ではなく本物の竹林へと旅に出よう。「群盗」など数々の映画やドラマで美しい風景を演出したアホプ山の森の中の竹林は、春夏秋冬いつ訪れても感嘆を誘う。笹の葉を揺らす風の音に酔いしれ、韓国を代表する木であるコンゴウマツ、ヒノキ、スギ、クヌギの森のフィトンチッドまで存分に満喫できるアホプ山の森に案内する。
深まる秋、画面の中ではなく本物の竹林へと旅に出よう。「群盗」など数々の映画やドラマで美しい風景を演出したアホプ山の森の中の竹林は、春夏秋冬いつ訪れても感嘆を誘う。笹の葉を揺らす風の音に酔いしれ、韓国を代表する木であるコンゴウマツ、ヒノキ、スギ、クヌギの森のフィトンチッドまで存分に満喫できるアホプ山の森に案内する。



400年の秘境を抱くアホプ山の森
九つの峰からなるということでアホプ(九)山と呼ばれるが、最も高い峰でも標高361メートルにすぎない。アホプ山には金井山の尾根と回東水源地を望みながら1~2時間ほど歩ける林道があり、秋のハイキングコースとして最適だ。アホプ山の中には、2004年に山林庁が「美しい森」に指定したアホプ山の森がある。ここは遊園地や観光地ではない。静かに散策しながら癒やしを得る、立つ鳥後を濁してはならない私有地だ。アホプ山の森の持ち主は、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)直後の約400年前に移住してきた南平文氏一家だ。機張に定住した文氏の一家は森を外部に公開せずに管理してきたが、2015年から人数を限って公開している。長年にわたりこの地域に定住し、現在は南平文氏の一族である薇洞文氏とも呼ばれる。長年かけられていた霊山のかんぬきを外したのは、薇洞文氏の第9代当主であるムン・ベクソプ氏。あまりにも美しい風景を独占してはならないと考えてのことだ。

日本による植民地時代、宗家に日本軍が攻め入ると、真鍮の器を隠すふりをしながらわざと見つかるようにし、日本軍の関心をそらした逸話が伝えられている。真鍮の器を手に入れた日本軍は、浮かれるあまりマツの木をそのままにしてその場を離れたという。 植民地支配からの解放後、ムン・ベクソプ氏の祖父は米軍にブルドーザーを借りて私有林に初めて林道を作った。体系的な造林の土台を固めるためだった。1960~1970年代には、東莱地域の食堂から残飯をもらい受け、バキュームカーを呼んで森の肥料として使用したりもした。このように丹念に育てた森は、人の手が入らない自然そのままの姿を保っている。

2002年から2003年末までアホプ山の森に対する植生調査が行われたが、絶滅危惧種である大興蘭をはじめ、529種の植物が生育していた。植物の天国は動物の楽園でもある。絶滅危惧種の保護野生動物であるキンガエル、クサガメ、スッポン、チゴハヤブサ、マムシが発見され、天然記念物のチゴハヤブサ、ハイタカ、アカハラダカ、コノハズクの生息も確認された。簡単には出会えないが、ノウサギ、キジ、キツツキ、イタチ、アナグマ、ホタルがアホプ山の森で自然のままの生態環境を享受している。アホプ山の森では、恵まれた自然環境を維持するために防除作業も行われていない。
森を自然のまま維持するため、現在も想像以上の努力が払われている。誰かが落書きした竹はすぐに抜き、人の痕跡を消す。アホプ山の森を訪問するなら滞在中は存分に楽しみ、痕跡を残さずに去らなければならない。アホプ山の森での時間は、自然において謙虚さがどれほど大切か、それによって私たちがどれほど癒やされるかを改めて教えてくれる。
アホプ山の森の総面積は52万平方メートルに及ぶが、全体を回ることはできず、制限された区域のみ通行できる。森に入るには、年齢を問わず入場料5000ウォン(約500円)を支払わなければならない。
森を自然のまま維持するため、現在も想像以上の努力が払われている。誰かが落書きした竹はすぐに抜き、人の痕跡を消す。アホプ山の森を訪問するなら滞在中は存分に楽しみ、痕跡を残さずに去らなければならない。アホプ山の森での時間は、自然において謙虚さがどれほど大切か、それによって私たちがどれほど癒やされるかを改めて教えてくれる。
アホプ山の森の総面積は52万平方メートルに及ぶが、全体を回ることはできず、制限された区域のみ通行できる。森に入るには、年齢を問わず入場料5000ウォン(約500円)を支払わなければならない。

多彩な森の饗宴
森に入るとすぐ竹林の道が現れる。左下に目を向けると、切られた木々が整然と横たえられている。露地シイタケの栽培地だ。しばらく歩くと道が二股に分かれるが、右側は傾斜がやや急な近道で、左側は緩やかな道だ。道端の湿地には色とりどりの野生の花が咲き誇っている。
近道と緩やかな道が再び合流する地点に、うっそうとしたコンゴウマツの林が現れる。2015年の年輪調査の結果によると、樹齢は400年をはるかに超える。樹齢400年以上のマツの木がこれほどよく保存されている場所は、慶尚道一帯では他に見当たらない。コンゴウマツは保護樹に指定されている。アホプ山の森では、116本の保護樹が400年以上の間命脈を保っている。
近道と緩やかな道が再び合流する地点に、うっそうとしたコンゴウマツの林が現れる。2015年の年輪調査の結果によると、樹齢は400年をはるかに超える。樹齢400年以上のマツの木がこれほどよく保存されている場所は、慶尚道一帯では他に見当たらない。コンゴウマツは保護樹に指定されている。アホプ山の森では、116本の保護樹が400年以上の間命脈を保っている。



コンゴウマツ林の向かい側にはモウソウチクの林がある。中国原産のモウソウチクは、タケノコとして食用にするため食用竹とも呼ばれる。竹の中では直径が一番大きく、貫禄がある。群落をなすモウソウチクの林は高さがわからないほどに育ち、夏には涼しい日陰を作る。竹の間から照らす日差しは、日照り雨のように疲れを洗い流してくれる。200年前、アホプ山の森にモウソウチクが最初に植えられたのがこの場所だという。不思議なことに、森の中には竹が育たない丸い場所がある。朝鮮王朝時代の人々は山の霊気が漂っているためだと考え、ここを儀式の場所や村の集会所にした。

モウソウチク林を過ぎると、イヌワシとモウソウチクが向かい合う遊歩道が現れる。いつも冷たい風が吹き、アホプ山の森で最も涼しい場所とされる。アホプ山の頂上につながる左側はクヌギの群落地だ。直進すると、ヒノキの森とスギの造林地が順に現れる。正面に伸びた道はU字を描いて長く伸び、右側の遊歩道と合流する。再び続くマツと竹林の道。向こう側にはもう一つのモウソウチク林がある。ドラマ「麗〜花萌ゆる8人の皇子たち〜」と映画「侠女:刀の歌」にここの風景が登場する。アホプ山の森は韓国で最大のモウソウチクの生育地だ。二つ目のモウソウチク林はかなり長い遊歩道が続く。幾重にも伸びた竹が訪問客を見送ってくれる。



森の中の旅を終えて出口に着くと、韓屋(韓国伝統家屋)が見える。名前は観薇軒。ゼンマイも尊いものと見なすという意味を込めた観薇軒は、約60年にわたりムン氏一家が住んでいた家だ。伝統韓屋らしく釘を一切使わず、アホプ山の森の木だけで建てた。今も暮らすことができる空間だが、ムン・ベクソプ氏一家は別の家に引っ越した。森の整備など、職人が来る時は宿泊所として貸すこともあるが、一般公開は行っていない。出口を出ても、竹林の饗宴はまだ終わらない。カメの甲羅のように奇妙な形をした亀甲竹庭園が最後のあいさつをしてくれるからだ。その隣にある金色の黄金竹と黒い紫竹も見物できる。
住所 釜山市機張郡鉄馬面薇洞ギル37-1
電話 +82-51-721-9183
営業時間 09:00~17:00
ウェブサイト www.ahopsan.com
住所 釜山市機張郡鉄馬面薇洞ギル37-1
電話 +82-51-721-9183
営業時間 09:00~17:00
ウェブサイト www.ahopsan.com
アホプ山の森を出て、機張を離れる前に立ち寄りたい場所
五郎台公園
機張の日の出の名所、アホプ山の森は朝9時にオープンする。早朝に機張のもう一つの姿を見たいなら、五郎台公園の日の出がおすすめだ。名前こそ公園だが、五郎台前の散策路と言った方がよいかもしれない。規模は大きくはないものの、吹き抜ける海風がさわやかだ。五郎台は、機張に島流しにされた人を含む5人のソンビ(学識のある人の呼称)が酒を飲んだという説話に由来する名前だ。海の向こうに見えるのは海光寺の竜王壇で、竜王を祭った韓国唯一の海上法堂だ。よく整備された遊歩道の中ほどには、ブランコ型のベンチも設けられている。
住所 釜山市機張郡機張邑蓮花里山78

海東竜宮寺
必ず立ち寄るべき名所。寺院といえば深い山奥を思い浮かべるのが一般的だが、海東竜宮寺は海の上にある。慈悲の化身である観世音菩薩は海辺の寂しい場所にいて、竜に乗って化現(神仏が人々を救うために姿を変えてこの世に現れること)するという。そのため、韓国の観音信仰は海辺を中心に形成されている。海東竜宮寺は襄陽洛山寺、南海菩提庵とともに韓国の3大観音聖地とされる。海を抱く海東竜宮寺は絶景そのものだ。願いごとを必ず叶えてくれるお寺としても有名なので、子宝、長寿、学業などどんな願い事をするか訪問前に考えておこう。
住所 釜山市機張郡機張邑竜宮ギル86
必ず立ち寄るべき名所。寺院といえば深い山奥を思い浮かべるのが一般的だが、海東竜宮寺は海の上にある。慈悲の化身である観世音菩薩は海辺の寂しい場所にいて、竜に乗って化現(神仏が人々を救うために姿を変えてこの世に現れること)するという。そのため、韓国の観音信仰は海辺を中心に形成されている。海東竜宮寺は襄陽洛山寺、南海菩提庵とともに韓国の3大観音聖地とされる。海を抱く海東竜宮寺は絶景そのものだ。願いごとを必ず叶えてくれるお寺としても有名なので、子宝、長寿、学業などどんな願い事をするか訪問前に考えておこう。
住所 釜山市機張郡機張邑竜宮ギル86


竜沼ウェルビーイング公園
機張の旧道と機張邑城の間の貯水池周辺に設けられた公園。ウッドデッキの遊歩道が整備されている。途中には山城山の林道へと抜ける道もある。30分ほど登ると山城山の頂上に着き、機張の海を一望できる。貯水池には写真撮影用に小さな船が浮かべられ、きめ細かい気遣いが感じられる。広くはないがきちんと管理された湿地には、さまざまな植物が分布している。アホプ山の森を回った後、食事に向かう途中や食後の散歩コースとしておすすめだ。SNS(交流サイト)映えする写真が撮れることでも有名だ。
住所 釜山市機張郡機張邑西部里山7-2
機張の旧道と機張邑城の間の貯水池周辺に設けられた公園。ウッドデッキの遊歩道が整備されている。途中には山城山の林道へと抜ける道もある。30分ほど登ると山城山の頂上に着き、機張の海を一望できる。貯水池には写真撮影用に小さな船が浮かべられ、きめ細かい気遣いが感じられる。広くはないがきちんと管理された湿地には、さまざまな植物が分布している。アホプ山の森を回った後、食事に向かう途中や食後の散歩コースとしておすすめだ。SNS(交流サイト)映えする写真が撮れることでも有名だ。
住所 釜山市機張郡機張邑西部里山7-2

竹城里倭城と海松、竹城聖堂ドリームセット場
竹城里倭城は壬辰倭乱当時、日本軍が丘陵に防衛用の城として建てた遺跡だ。完全な形では残っていないが、朝鮮とは異なる日本軍の築城様式を見ることができる。倭城に向かう道の入り口には階段があるが、城までつながっておらず途中で途切れている。倭城も鉄条網に遮られ、よく見えない状態だ。だが、階段の向こうに美しい海松が見える。一本の幹のように見えるが、樹齢300~400年の5本のマツが絶妙に絡み合って素晴らしい風景を作り出している。木を見に行くだけと思うかもしれないが、それでも訪れてみる価値がある。竹城聖堂はドラマのロケ地として人気の撮影スポットだ。近くにあるので、思い出の写真を残すために立ち寄ってもよいだろう。
住所 釜山市機張郡機張邑竹城里601(倭城)、竹城里249(海松)、竹城里134-7(竹城聖堂)
竹城里倭城は壬辰倭乱当時、日本軍が丘陵に防衛用の城として建てた遺跡だ。完全な形では残っていないが、朝鮮とは異なる日本軍の築城様式を見ることができる。倭城に向かう道の入り口には階段があるが、城までつながっておらず途中で途切れている。倭城も鉄条網に遮られ、よく見えない状態だ。だが、階段の向こうに美しい海松が見える。一本の幹のように見えるが、樹齢300~400年の5本のマツが絶妙に絡み合って素晴らしい風景を作り出している。木を見に行くだけと思うかもしれないが、それでも訪れてみる価値がある。竹城聖堂はドラマのロケ地として人気の撮影スポットだ。近くにあるので、思い出の写真を残すために立ち寄ってもよいだろう。
住所 釜山市機張郡機張邑竹城里601(倭城)、竹城里249(海松)、竹城里134-7(竹城聖堂)




釜山での滞在: ロッテホテル釜山とシグニエル釜山
釜山・西面近くに位置するロッテホテル釜山では華やかなシティービューを楽しめる。モダンな感覚とデザインが生かされており、プライベートな休息とゆとりのひと時を過ごせる。旅行の目的に応じた部屋選びができる約650室の客室とさまざまなジャンルのレストランは、釜山旅行の特別な思い出作りに一役買うことだろう。
シグニエル釜山はシグニエルソウルに続く、ロッテのプレミアムブランド「シグニエル」の2号店。海雲台のランドマークであるエルシティ(LCT)タワーにあり、260室の客室を有する。広安大橋を望む海雲台の幻想的なオーシャンビューが自慢。ミシュラン3つ星シェフのブルーノ・メナール(Bruno Menard)が監修したメニューなど、世界トップレベルのグルメを味わえる。
ホームページ ロッテホテル釜山 / シグニエル釜山
シグニエル釜山はシグニエルソウルに続く、ロッテのプレミアムブランド「シグニエル」の2号店。海雲台のランドマークであるエルシティ(LCT)タワーにあり、260室の客室を有する。広安大橋を望む海雲台の幻想的なオーシャンビューが自慢。ミシュラン3つ星シェフのブルーノ・メナール(Bruno Menard)が監修したメニューなど、世界トップレベルのグルメを味わえる。
ホームページ ロッテホテル釜山 / シグニエル釜山